気・血・水とは人間の生命エネルギーやからだの働きを表す概念です。
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最終更新日 8月28日
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 「気」とは何か? 
 気というのは、人間を生かしているエネルギー、つまり生命力そのものをさします。その姿形を目にすることはできませんが、経絡(五臓六腑間、あるいは経穴(つぼ)と経穴の間を結ぶ気の通り道)に沿って体内めぐっているとされています。気のめぐりが悪化すると、バランスを崩して上半身に気が上昇したり、気のめぐりに滞りができたり、気が減少したりします。気の異常を表す漢方用語として、気滞と気虚があります。
 気 滞
 気滞は、文字通り、気が滞っている状態ですが、静的な滞りである気うつと、動的な以上である気逆があります。
○気うつは気がうっ滞した状態です。気力がなく憂うつ、倦怠感、日中眠い、食欲がない、便通異常(多くは便秘したり、下痢したりする)、呼吸が浅い、息苦しい、腹壁全体が軟弱などの症状を特徴とします。
○気逆は気が逆流し、上昇する状態で、漢方では気の上衝と表現します。上半身ののぼせと下半身の冷えが同時に起こるのが典型症状で、不眠傾向、腹部の膨満感、腹部の強い痛み、げっぷ、乳房の張り、イライラ感、動悸、過呼吸、頭痛・頭重感などもみられます。
 気 虚
 気が減退、減少した状態です。原因の多くは胃腸虚弱による消化吸収機能の低下です。症状として、疲れやすい、食欲がない、眼光や声に力がない、気力も乏しくなり、めまい、立ちくらみ、風邪をひきやすい、下痢傾向などの特徴が見られます。以上のうち、気逆(のぼせと冷えの共存)は西洋医学では症状ちして扱われません。おそらく自立神経失調症と診断されるくらいで、対処法も限られています。しかし、漢方では、他の証と照らし、対応する処方がいくつも用意されています。
 血とはなにか?
 血は気によってめぐらされている液体のことです。栄養をつかさどり、色々な病気の因子からからだを守るもので、まさに血液そのものです。さらに、私たちの体が持っている生理的恒常性(ホメオスターシス)を守るのも血の働きです。ホメオスターシスとは、外界の環境が変化しても体内環境を一定状態に維持する作用で、呼吸、体温や水分などが過剰または欠乏に傾くと自動的に平衡状態に戻そうとするものです。そのバランスを調節しているのは、自律神経とホルモンですが、漢方では血の乱れが生理的恒常性を乱す元凶と考えます。血の異常を表す漢方の用語として、血実、血虚、お血があります。
○血実とは血が多すぎて、充血している状態をさします。
○血虚とは血が不足している状態で、西洋医学で言う貧血とほぼ同じ状態です。具体的には、血色不良、皮膚の乾燥、目のかすみ、不眠、手足のしびれ、けいれん、腹直筋のこわばり、生理不順などの症状です。
○お血とは血がスムーズに流れず停滞している状態、ならびにその状態がもたらす異常をさします。
 具体的には、口の渇き、下腹部痛、脇腹や腹部の圧痛、肌荒れ、肌の黒ずみ、色素沈着、手のひらの赤らみ、目の下のくま、赤黒い顔色、歯茎・舌・唇が赤い、毛細血管の露出、熱感、神経症状、月経異常、痔などがお血の特徴的症状です。漢方では、このお血の有無や程度を非常に重視します。多くの慢性疾患や不快な症状の原因をお血によるものと考え、たくさんの処方があります。
 水とはなにか?
 水は体内にある血以外の水分全てをさします。気とともに体をめぐるもので、血以外の赤くない液体、つまり体液や分泌液、尿や浸出液のことです。
 西洋医学的に言えば、リンパ(白血球)による免疫機能に、老廃物の排出を加えた機能をさします。血とともに重要な役割を果たしていると考えられています。水の異常にかかわる用語に水毒があります。
○水毒とは水の停滞や偏在そのもの、またはその結果による異常症状をさします。具体的には、口の乾き、むくみ、頭重感、めまい、動悸、息切れ、咳や痰、けいれん、関節痛、手足の冷え、水ぶとり、腹部のゴロゴロ音(腹鳴)、胃のポチャポチャ音(胃内停水)などです。
 気や血の変調とともに起こることが多く、症状も多種多様です。西洋医学的な捉え方で言うと、急性アルコール中毒、熱中症、気管支ぜんそく、アレルギー性鼻炎、神経痛、腎障害、関節リウマチなどが水毒によるとされています。水毒症状が認められるとき、漢方では利尿剤が用いられます。
 寒熱とは何か? 
  寒熱とは、文字通り、寒く感じるか熱く感じるかを意味します。つまり、冷感、熱感の事です。ここまでみてきた証との関連では、陽証や実証の人には熱証(のぼせ)が多く、陰証や虚証の人には寒証(冷え)が多い傾向があります。
熱証に対しては、冷やす処置(瀉法)が用いられ、寒証に対しては、温める処置(補法)が用いられます。
 実際に多いのは寒証で、女性によく見られます。寒証の人には、冷えの訴えが多い、冷房が苦手、冬季は暖房以外に電気毛布や電気あんかを使わずにいられない、しもやけになりやすい、からだを丸めて眠るなどの傾向があります。熱証の人には、すぐに汗ばむ、平熱が高め、運動や入浴の際に上昇した体温がなかなか下がらない、冬でも薄着(厚着が嫌い)、風呂に長く入れない、夏季は冷房なしに眠れない、などの傾向があります。
 表 裏
 漢方では、人間の体は三層から成り立っていると考えます。最も外側が表、最も内側が裏、その間が半表半裏です。表は皮膚、神経、筋肉、関節、頭部をさし、裏は消化管です。半表半裏は消化管以外の内臓、つまり、気管、肺、肝臓、心臓、脾臓、腎臓などをさします。
 病気は表から裏に進むと考えられます。病気が表にあるうちに、効く漢方薬の例として、葛根湯があります。裏に効果のある漢方薬の例が人参湯や人参養栄湯です。半表半裏には、小柴胡湯のような柴胡剤が使われます。
 補と瀉
 漢方には治療概念を表す補と瀉という用語があります。補は、陰証、虚証を示す虚弱体質でからだが冷えるような人に行なわれる処置全般をさし、からだを温めたり、足りない栄養などを補う療法を意味します。
 瀉は、逆に陽証、実証を示すエネルギー過剰、分泌過剰、生成過剰ぎみの人に行なわれる処置をさします。腫瘍などの組織を切除することは瀉にあたります。



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