糖尿病の看護のポイント

糖尿病の看護のポイント〜糖尿病の病態〜

多尿

 

高血糖となり、血漿浸透圧が上昇すると、
浸透作用によって血管内に水分が取り込まれ
血液(水分)が増加します。

 

また、尿糖も増加し、尿浸透圧も上昇します。

 

このような仕組みによって、糖(グルコース)とともに
大量の水分が尿として排泄されるため、
「多尿(浸透圧利尿)」が生じます。

 

口渇・多飲

 

多尿によって脱水や電解質が失われると、
「口の渇き」を生じ、「多飲」の症状を起こします。

 

口渇は、血漿浸透圧上昇によっても生じます。

 

体重減少

 

インスリン作用が不足すると、
経口摂取した糖質を適正にエネルギー消費することができません。

 

代わりに肝臓や脂肪組織に蓄えられている糖を分解し、
エネルギーを産生し(異化作用)、使用します。

 

この異化作用によって、体重減少となります。

 

 

このような多尿、口渇・多飲、体重減少などの症状が長期持続し悪化すると、
細小血管障害、動脈硬化に進行し、
さまざまな糖尿病の合併症を引き起こします。

糖尿病の分類

糖尿病には、「1型糖尿病」、「2型糖尿病」、
「その他」、「妊娠糖尿病」があります。

 

1型糖尿病の成因

 

・膵β細胞の破壊、通常は絶対的インスリン欠乏に至ります。

 

・自己免疫性のもの、特発性のものがあります。

 

2型糖尿病

 

・インスリン分泌不全を主体とするものと、
インスリン抵抗性が主体で、インスリンの相対的不足を伴うものがあります。

 

その他の特定の機序、疾患によるもの

 

・遺伝因子として遺伝子異常が固定されたもの、
他の疾患、条件に伴うものがあります。

 

妊娠糖尿病

 

・妊娠中に初めて発見、または発症した糖尿病に至っていない糖代謝異常があります。

糖尿病の症状

糖尿病は、高血糖によって起こります。

 

2型糖尿病は、初期は無症状であることが多く、
自覚症状に気づかないことが少なくありません。

 

そのため、発見された時点では、
すでに糖尿病の症状が進んでしまっているということがあります。

 

糖尿病が進行すると、多飲、口渇、多尿、倦怠感、
体重減少などの自覚症状が出ます。

 

さらに症状が悪化すれば、重篤な合併症が出現します。

 

急性合併症には、インスリンの絶対的欠乏によって
脂肪分解が進みます。

 

ケトン体が産生され、ケトーシスになると、
糖尿病ケトアシドーシス(1型糖尿病に多く見られる)となり、
昏睡が起こります。

 

また、感染や脱水によって、著名な高血糖になると、
高浸透圧をきたし、高浸透圧高血糖症候群(2型糖尿病の高齢者に多く見られる)となり、
昏睡が起こります。

 

慢性合併症には、細小血管障害と、
大血管障害(動脈硬化)によるものがあります。

糖尿病の症状と合併症

糖尿病の特徴的な症状

 

多尿・口渇・多飲・体重減少・易感染などがあります。

 

易感染性が悪化すると、壊疽や潰瘍を起こします。

 

急性合併症

 

糖尿病ケトアシドーシス、高浸透圧高血糖症候群があります。

 

慢性合併症

 

細小血管障害(糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害)、
大血管障害(動脈硬化による虚血性心疾患、脳血管障害、
閉塞性動脈硬化症)、糖尿病足病変があります。

 

これらの慢性合併症が悪化すると、
視力障害、失明、腎不全、起立性低血圧、勃起不全、
無自覚性低血糖、知覚異常・低下などの症状が起こります。

糖尿病の原因と病態

1型糖尿病

 

1型糖尿病の原因の多くは、
自己免疫を基礎にした膵β細胞の破壊です。

 

HLAなどの遺伝因子に、
何らかの誘因や環境因子が加わって発症します。

 

2型糖尿病

 

2型糖尿病の原因は、
インスリンの分泌低下やインスリン抵抗性をきたす複数の遺伝因子に、
過食や運動不足、肥満、ストレス、加齢などの環境因子が加わり、
インスリン作用不足が生じることです。

 

2型糖尿病は、家系内血縁者に糖尿病がある場合がしばしば見られます。

 

インスリン作用不足が生じることにより、
高血糖の状態が持続することで発症します。